その伍拾五 均衡・・自利利他
【均衡・・自利利他】
 前回は、私たちが生きていると言うことは、常に呼吸や血液や水分が一瞬も止まること無く、ダイナミックに流動している存在だとお伝えしましたが、今回は均衡について学びたいと思います。

空気と水の環
熊野の龍体
●宇宙を司る「天の龍」・・・!
 私たちのカラダの仕組みはよく小宇宙(ミクロコスモス)とたとえられ、銀河のような極大宇宙(マクロコスモス)と相通じるところがあると言われています。
 星座占いなどで皆さんご存じの「天秤座」のことを「The Balance(ザ・バランス)」と呼びますが、それは宇宙の均衡を保つ星座の位置にあるからなのです。つまり、天秤座の前は、乙女座で女性(陰)の象徴、後が蠍座で男性(陽)の象徴とされ、 天秤座はその名の通りちょうど真ん中に位置し平衡を保っています。
 乙女座と蠍座の象徴は、どちらもアルファベットの「m・m」をモチーフにされ、この対極性の「陰と陽」が融合すれば均衡が保たれ、宇宙の流動を司ると言われる、天の龍体「mm」になるからなのです。
●バランスとは2つのお皿・・・!
 さらにバランスとは、ラテン語の「bi(2つの)-lanx(お皿)」が語源で「2つの尺度のお皿を持つもの」と言う意味があります。違った2つの価値尺度の統合・・・つまり、平衡・均衡・つり合いなどの「調和」を指しています。
 空気や血や水が流動する私たちのカラダでも「健康」を維持するためには、常にバランスを取る事だとよく言われ、医術の国際的な健康機関の象徴も、2匹の蛇が杖にバランス良く巻き付いて、杖の均衡を保つ姿が描かれています。
●気のバランスを再生する熊野
 熊野の大自然の中に身を置いて、自然の森や川、樹々や波の音に包まれると癒されたと言うお話しもよく聞きますが、それは大自然の持つダイナミックな「動のエネルギー」と、静寂の「静のエネルギー」の狭間で、自分のカラダの内側の均衡を保つ、バランスポイントの発見に導かれるからなのです。
 大自然から遊離した都市生活で偏った気のバランスが、リセットされ「元の気」に戻ることですが、千年前からこの自然のバランスの再生の仕組みが「熊野詣で」として利用されて来たのです。
●自利利他のこころで・・・!
 老若は自分の世代や年齢だけにこだわらず、男女は自分の性別だけに偏らず、常に相手の立場に立ってまず考える「こころの中の天秤座」を持って、自分という事からも自由になって、自他のバランスの取れた生き方をしたいものです。

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