その四拾壱 LOHASマインド(3)
【LOHASマインド(3)】
NPO法人 熊野生流倶楽部 代表 満仲雄二
 前回は、常に低きところを目指し、しかも相手の器に自在に、自分の姿を変えて形を添わせる、自由自在な「水」のこころをお伝えしました。今回は、生命の根源となる、大地の土に学びたいと思います。


●かけがえのない生命の基盤・・!
 日本の神話では代表的な神様に、天照大神(太陽)と月読尊(月)と素戔嗚尊(地球)の三神がおられますが、大地は出雲や熊野にゆかりの、素戔嗚尊(スサノオ)の神様の役どころで、大地の土や樹木や森林など大自然の命溢れるフィールド(生命基盤)を司っているとされています。
 しかし今、神話を忘れた私たちは、目先足元の快適・便利さを追い求めるあまり、この大自然の大地の呼吸を、コンクリートの森に置き換えて狂わし、我が物顔で走り抜け、結果的に環境異変と言う、生命基盤を失いかねないところまで来ているのです。
●身土不二・・循環に生きる!
 土は、ただ地面としてあるだけではなく、土の中の生き物や外界の生態系の基盤として、とても大きな役目を担っています。森の落葉が土になるには、気の遠くなるような時間をかけて働く微生物の存在があり、生命と土は切っても切れない関係にあるのです。例えば樹木は、土から栄養や生きるエネルギーを吸収しています。皆さんよくご存知の、炭の高級品:紀州の備長炭は、和歌山県木のウバメガシを原木にして、叩き合わせると「キーン」という金属音が出るほど、硬質(鉄に近い)なのが特徴ですが、このウバメガシの木も、和歌山の大地に在ってこそその性質が生まれるのです。
 つまり、土の中にあるバクテリアやミネラルなど、目に見えない生命や養分が、根から幹へくまなく循環しているからなのです。また同時に、炭焼き自体の人の働きが森の活性化や新陳代謝を行う役割を果たし、大いなる自然の大循環をしているのです。
●LOHASは土のココロで・・!
 今まで不動と思っていた土地や建物も、大地の身震い(地震)にはひとたまりもありません。私たちは常に、安定を求め生きていますが、世の中の本質は、すべてがダイナミックな流動性を持ち、土も生物も常に万物は変化し続けているのです。
 こころも同じで、朝と昼と夕方と夜の気分が違うように、刻一刻と流れ動いています。もともと「耕す」と言う言葉は「カルティベート」と言い、カルチャーの語源ですが、土を耕し良い風土を創るように、自らを変える事に勇気を持って、しっかりと自分の根っこを見つめて、こころを耕していきましょう。

 ・その壱〜その参拾
 ・その参拾壱 自らを生き抜く

 ・その参拾弐 自らを飛翔する

 ・その参拾参 汝(あなた)思う、ゆえに我(わたし)あり

 ・その参拾四 森羅万象を貫く光

 ・その参拾五 LOHAS(ロハス)の波動

 ・その参拾六 LOHAS(ロハス)の理(ことわり)

 ・その参拾七 LOHAS(ロハス)な旅

 ・その参拾八 LOHAS(ロハス)元年

 ・その参拾九 LOHASマインド(1)

 ・その四拾 LOHASマインド(2)


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