その四拾九 LOHASマインド(11)
【LOHASマインド(11)】
 今年は台風が発生しても、日本への上陸がほとんどありませんでしたが、これも地球温暖化を根本原因とする異常気象が背景にあるのです。今回は、この巨大なエネルギーである「台風」に学びたいと思います。


●台風(タイフーン:Typhoon)とは?
 台風は颱風とも書き、アメリカではハリケーン、インドではサイクロン、英語ではタイフーンと呼ばれ、秒速17m以上の熱帯性低気圧を言います。地球の北半球と南半球の貿易風が南海上で出会い、暖かく湿った空気が上昇し、水蒸気が凝結して雲が発生し、熱を放出して巨大なエネルギーが生まれるのです。
 その渦は北半球では左渦(反時計回り)に、南半球では右渦(時計回り)に地球の自転の影響で回転します。また大きさは、大気の対流圏の全層に及び、高度1万7,000km、直径1,000kmにも達します。
●台風は、自然の禊ぎ祓い・・!
 大自然の森羅万象は刻一刻と変化し、常に全体の生態系のバランスを取ろうと働いています。サイパン島辺りの南の海上で生まれ、荒れ狂う海の潮水を上昇気流で巻き上げ塩分をたっぷり含んで日本にやって来る台風は、まるで列島を清めるために、塩で禊ぎ・祓いをし、豪雨で汚れを洗い流し突風で澱みを吹き飛ばしているかのように感じます。
 神社でも塩を供えたり相撲でも塩をまいたり、お店でも出入口に塩を盛ったりしますが、この塩は邪悪なモノを清める働きがあり、場を清浄にする役目があります。台風がよくやってくる日本は、そう言う意味でも自然がいつも清められ、当然そこに住む私たちのこころも、知らず知らずに八百万の神々と共に清浄に保たれていたと思います。しかし、最近その台風がトンとやって来ないので、日本列島の空気の澱みが大変気になるところです。 
●滞ったこころに大きな風を・・!
 部屋を閉め切っていると空気が滞って汚れるように、こころの窓も、時々全開に開いて新鮮な風を入れましょう。組織やグループも同じですが、同じ様な考え方や価値観の動きから、なかなか斬新な発想や行動は出てきません。
 地球環境問題をはじめ、今あらゆる社会のジャンルで「構造の改革」が叫ばれる時・・当たり前になっている足元や手順を見直す意味でも、台風のような大きな風を巻き上げ、努めて構造的な混乱を起こし、思い癖や意識のこだわり・偏り・集団的とらわれを、一気に吹き飛ばしましょう。ただしその時、台風の渦の中心の目の中に、静かに確実に自ら
の身を置いて、未来を見つめておく必要があります。 

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