その伍拾四 流動・・環の教え
【流動・・環の教え】
 自然界の「流れ」そして「動き」・・前回まで滝や海の波の本質を通じて「流動」と言う事をお伝えしましたが、私達の環境そのものが常に流動・流転しており、とどまるところがありません。今回は「環(たまき)」に学びたいと思います。

空気と水の環
空気と水の環
●目には見えない流れや動き・・!
 地球はじーっとしているようですが、私達の大地は秒速400mもの速さで回転しています。さらに秒速29.6kmの速さで太陽のまわりを巡り、その太陽系自体も秒速19.2kmで琴座のα星ベガの方向へ向かって、超高速で宇宙空間をらせん状に動いているのです。考えただけでも目が回りそうな動きですが、私達が毎日吐いている空気も、地球上を1週間から1ヶ月の超スピードで、世界を一周し循環しているのです。私達は、あまり日常このようなことを意識せずに、地表の空気環境の下に生きています。
●壮大な時を経る水の環流・・!
 また一方、水の環境は地球上を、大西洋からインド洋、太平洋の果てまでグルッと一周して流れる「海洋大循環」と言う、全地球レベルの潮の流れがあり、全世界の気象に重要な影響を与えています。熊野を流れる黒潮もその一部分で、本州最南端の潮岬に立って海流を眺めていると、地球規模でその環流をイメージできると思います。
この海のベルトコンベアが、地球を一循環するには、何と1500年か2000年かかるとも言われており、その流れの速度は、平均して毎秒10cm程度なのです。
●無意識の生命環境・・!
 おおよそ私達は、このような気の遠くなるような自然尺度の空気や水の環境・・・つまり、ドラマチックに生々流転する空気や水の循環の仕組みに包まれているのです。
また視点を変えて、私達のカラダの内側を見ますと、全身の血管を駆け巡る血液の流れは、何と時速216kmもの速さで循環しており、心臓から送り出された血液は、わずか25秒ぐらいで、元の心臓に戻っているのです。まるで、カラダの中に新幹線が走っているようなモノですが、呼吸も含めこれらはほとんど意識していません。
●流れを感じて動くこと・・!
 心を静かにして一度、このマクロな世界の速度とミクロな世界の速度を、感じてみては如何でしょうか?生きている地球も、空気や水を常にダイナミックに循環浄化させ、私達も呼吸や水分や血液を止めることなく流動させる存在なのです。生きていると言うことは常に「流れる」そして「動く」こと・・・。
 私達の気持ちも、朝起きて一日が始まる時の気持ちと活動が活発なお昼の気持ち、また夕暮れが迫る頃や陽が沈んでからの夜の気持ちが刻一刻と違うように、何かにとらわれたり・こだわったり・偏ったりせずに、常に「ココロの環境」をサラサラと流し動かしておきたいモノです。

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