その七拾参 剣の波動
【剣の波動】
 前回は、一人ひとりが自分自身を見つめて、自分の魂をしっかり磨き、心の岩戸を開いて魂の根源の光りを輝かせましょう!と言うお話をしました。 今回は、その光りの働きとして発動する、やはり三種の神器の宝のひとつ・・・「剣」についてお伝えします。

釣極のバランス
釣極のバランス
●三種の神器「剣」とは・・・!
 神々の時代の天孫降臨の時に、天照大神から授けられたとする「玉・剣・鏡」を指して三種の神器(さんしゅのじんぎ)と言います。日本の歴代天皇が継承してきたとされる三種類の宝物がこれで、その剣は、出雲国でスサノヲ命(須佐之男命)が倒したヤマタノオロチ(八岐大蛇)の尾から出てきた太刀で、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)また別名を、日本武尊(やまとたけるのみこと)が駿河で豪族に野に火を放たれ、この同じ剣で草むらをなぎ倒した、草薙剣(くさなぎのつるぎ)と言います。
 古来より神様の依り代の一つとして、剣(つるぎ)=太刀は「武」を表わしており、猛々しさや勇ましさのはたらきを意味しています。
●剣に秘められたこころ・・・!
 剣のこころである「武」は、武器や武力など相手との争いの象徴のように思われていますが、「武」の真の意味は、相手に勝つ事よりも自分自身に勝つという意味なのです。
 昔の唄で柔道の心得は「♪勝つと思えば、思えば負けよ〜♪」 と歌われており、勝ち負けの二極にこだわること自体を、今一度考え直す必要があると思います。
 また、剣は「釣極(つるぎ)」とも書き、よく人の話を聞き、善悪正邪を公正に判断し、神様の声と自分の発する言葉を、釣り合わせる事によって切り分ける意味もあります。
 「人を生かすも殺すも・・言葉次第」とよく言われますが、剣はまさに諸刃の剣なので、何気ない一言で人を傷つけないように、注意を払いたいモノです。
●剣と創造性
 剣(刀)で皮膚に傷をつけることを、身を削ぐ=みそぎ=禊と言います。実際そんな事をしたらいけませんが、その意味は、傷(絆創膏の創はキズのこと)をしたら、しばらくして新しい皮膚が不思議にも生まれてくる・・つまり大自然の再生を表わしているのです。何事も新しいものを生む時には、痛みを伴うものであり、それを創造と言います。
 社会を変えるのも、自分自身を変えるのも、勇気を持って古い価値観や自分を捨て去り、一から新しい自分を創造するためにも、自らの中の宝である「剣」の波動を今発動したいモノです。

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