【熊野通信】その拾弐
 以前の熊野通信その1で、熊野には「熊野三山」と言って、熊野本宮大社・熊野那智大社・熊野速玉大社の三つの聖地がある事をご紹介し、それが「グー・チョキ・パー」のじゃんけんの原理に基づく、三位一体の仕組みになっている事をお伝えしました。この自然の仕組みに、魂の再生を求めて1,000年程前にブームになったのが、蟻の熊野詣でなのですが、今回は、三山のさらに奥宮の紀州・玉置山に鎮座する、国之常立尊(クニトコタチノミコト)についてお伝えします。
●一億年前は、大洋の底だった・・・玉置山!
 玉置山(海抜:1,076m)は、奈良県・十津川村に属し、日本最大の半島である紀伊半島の中央の奈良県・三重県・和歌山県の三県が接する位置にあります。そこは熊野千峰に囲まれた深山幽谷と言った風情で、大峰修験道の最終地点の霊山でもあり、普段は訪れる人も極わずかなところです。伝説によると昔この山に津波が押し寄せたとき、犬が遠吠えしたと言う洪水伝説のようなお話しが伝わっています。この山の上に玉置神社があり、そこに国之常立尊が祀られているのです。
●丸に十の字の謎は、地球のシンボルマークだった!
 日本神話の古事記に登場する神さま達を見ますと、226柱(神さまは柱で呼ぶ)現れますが、一番目は天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)と言って、天地の始めに出現した神さまで、天の中央に座す宇宙の根本神と言われています。その中で、国之常立尊は六番目に現れ地の限りを知ろしめ、国が地を表し常立(トコタチ)のトコは底(ソコ)や根と同じ意味で、つまり私たちが住む地球を形成した神様なのです。ちなみに神紋である「○に十の字」のシンボルマークは「○」が24時間で自転する地球の「時間軸」を表し「十」が東西南北の方位である「空間軸」を表しており、惑星・地球の事なのです。地球上どこへ行っても、世界的な理科記号として、この「○に十の字」は全世界で共通の「地球のしるし」になっているのです。
●鬼門に隠された国之常立尊がいよいよ姿を!
 国之常立尊は別名を、艮の金神(ウシトラノコンジン)とも言います。艮とは方位の北東つまり鬼門とされる場所で、忌み嫌った方位なのです。これは昔々神世の頃に十柱の神様が地球の維持運営を話し合った時、あまりにも正し過ぎる意見を述べる国之常立尊がうるさくて邪魔になった他の九柱の神様達が、口を封じるために国之常立尊を艮の方位に隠して(封印)してしまったのです。そしてこの世を現在まで九柱の神様達で自由気ままに運んできたのですが、人の世はいつも戦が絶えず、政治・経済・教育・医療をはじめ、気象異常や森林破壊等の地球環境全体がもう二進も三進もいかなくなってきてしまいました。
●一人一人が自らを見つめ直して・・・!
 その答えが全く無いところで、最後に九分九厘まで行き詰まった時に、本来この地球を創成した国之常立尊が、世の立替を行うために現れると語り継がれています。つまり、熊野・玉置山の古代からの仕組みである、再生のスイッチがONの状態になっていきますので、私たちは今一度、自らの目先の欲得損だけに生きたり、他人を踏み散らして一人勝ち組になったりせず、みんなが平和に和して生きていける「地球世界」を創りだしていかねばならないのだと思います。
NPO法人 熊野生流倶楽部 代表 満仲雄二
その拾壱         その拾参→