【熊野通信】その参拾参 《汝(あなた)思う、ゆえに我(わたし)あり》
 前回では自分の視点を、大空を自由に飛ぶ鳥の目(バーズアイ)のように、広くひろく鳥瞰的に切り替えていきましょう!・・と言うお話しをしましたが、如何でしたか?自分という意識から離れて、今自分が立っている環境や情景が何となく見えてきたでしょうか?またそこにあなた自身も見えましたか?
●自我(が)と我(われ)の取り違い・・・!
 「俺が、、私が、、」と強く自分を主張するこころを「自我の肥大」と言います。カラダを持つ以上、誰しもが持つこころなのですが、身勝手で利己的な自我を極端に強く主張すると、自我に翻弄され、他を傷つけ、また自らも結果傷ついてしまいます。自我やアイデンティティの確立が叫ばれるのはいいが、多くは「我(われ)の確立」と勘違いしているのです。「自」が独自の自で、一人一人が固有の個性を持ってこの世に生まれ生きていく時の主観的な「私」を表し、また「分」は部分の分で、社会や地域や地球の一員としての、客観的な「私」を示していると言うことを以前にもお伝えしましたが、その「自・分」のバランスが大事なのです。バランスを取る方法は、「素直で清明なこころ」になることだと、日本古来のやおよろずの神様たちは説いています。素直とは自我を解放して他と共生できる生き方であり、今まさに地球環境問題として、私たち人類に突きつけられているのです。
●試練の時は刻一刻とやってくる・・・!
 最近ニュースでもよく取り上げられていますが、地球環境の問題はますます深刻さを増すばかりで「暑い夏だねえ」「水不足だねえ」では、済まされないような事態が、世界のさまざまな機関によって予測され、それはもう目の当たりに来ているのです。私たちがこの自我との葛藤をしている間にも、生きている基盤を失いかけないような生態系(エコロジー)の変化が現れてきています。火・水(カ・ミ)の仕組みによって、まず私たちの目の前に試練として現れるのは、大気に起因する「日照り・猛暑・竜巻」・・・また、水気に起因して現れるのは「渇水・地震津波・大雨大洪水」なのです。すでに観測史上未経験の事態が全世界の日常に起こっているが事実なのです。
●生命は生命の原点に回帰する・・・!
 確かに私たちにとっての生きる環境は、極々一部の先進?諸国にとって、超便利に超快適にその時必要なモノが生み出された反面、かけがえのない自然を破壊したり他の生物を絶滅に追いやったり、後進国を踏みにじっていたりと、その時々良かれととった行動が、結果的には取り返しのつかないところまで、バランスを崩してしまったのです。「生命の何たるか」を知らず成り立ったこの社会は、原点である生命の法則にのっとるしかその再生の術がありません。今一度、私たちは素直になって清明なこころで、地球・生命の声を聴いてみましょう。
NPO法人 熊野生流倶楽部 代表 満仲雄二
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