【熊野通信】その参拾弐 《自らを飛翔する》
 温暖化をはじめとする地球の環境問題が、気象変化など見てもわかるように、私達の目に見えないところから徐々に変調をきたし、今いよいよ誰もが日常的に「これはどうもおかしい!」と、生態系そのもののバランスの崩壊を、感じるようになってきています。
●考え込まずに・・・飛べば見える!
 日常生活する中で誰もが「目に見える世界」と、その因縁や根っこにある「目に見えない世界」があることは、今までに熊野の大自然の八百萬(ヤオヨロズ)の神々に学ぶ智恵のお話を通して、沢山お話ししてきましたが・・「いまいち理解できない?よくわからない?」と言った声をよく耳にします。それは、目に見える世界の物質的世界で、与えられる情報・触れる情報に対し、深く考えない丸ごと飲み込み思考で、受け身に慣れ切っているためなのかも知れません。
 見えない不思議な世界を学びたい気持ちはあってもテレビの影響もあり、学ぶ基本的な視点がずれているのです。思議できないことを自分が思議できる!と思いこんでいる「我の強さ」なのではないでしょうか?「自分は未熟である。不完全で未完成である」との自覚からまず始まれば、落ち込んだり思い悩むことはないのです。
 弘法大師・空海も「飛べば見える!」と自らの探究は、自分から求める積極性と、いつからでも自らの人生の熟達をめざす「熱きココロ」でつかみ取る、能動性・行動性を説いています。
●自分という意識から自由に飛ぶ・・・!
 私達は、普段あくまで「日常生活と言う」この地平線を、西に東に走り回っています。そこには、自分を中心とした親子や夫婦など家族との課題やご近所との問題、また年金や税金そして会社や仕事と実に様々な課題に囲まれています。しかし地球環境の課題は、そうした生活基盤の中でも、根っこの目に見えない切実な問題なのです。
 そこで、日々の生活の中でイメージトレーニングと言う方法を試してみてください。電車に乗っているときは、車窓に見える景色のなかで、自分がこれからイメージで飛んで行って見る目標を一つ決めて見ましょう。遠くの高層ビルの屋上でも、向こうに見える山でも森でも海でも構いません。静かに目を閉じて、その場所に自分が今この瞬間そこに居て、こちらを見ているイメージを持ってください。そしてその場所から「今」自分が居る情景、つまり電車に乗っている姿を超具体的に想像して下さい・・
(この時必ず、携帯電話の電源は切って下さいね・・・(笑)
●ココロを解放して・・・バーズアイに!
 これをどんどん繰り返していくと、だんだん鳥の目(バーズアイ)になっていけるのです。大空を自由に飛び回り、自分や家族やご近所や地域と言った、狭い思考の枠組みに囚われず、広くひろくもっと広く、何が大事か?大らかに情景が見えてきます。地球儀には国境がありますが、地球にはどこにも国境など引いていない事も・・!
NPO法人 熊野生流倶楽部 代表 満仲雄二
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