その六拾八 太陽の黒点
【太陽の黒点】
 前回は、熊野の八咫烏(ヤタガラス)が、古代の太陽信仰と深いつながりがあり、真っ黒な八咫烏が太陽の黒点の象徴だとお伝えしましたが、今その太陽に不気味な異変が起きています。

日の出
日の出
●太陽黒点の不穏な動き
 太陽の表面に現れる黒い点は、1611年にガリレオによって観測されましたが、太陽表面の6,000℃に対して、黒点は4,000℃と低いために、弱い光が黒く見えるだけなのです。その黒点の増減は、11年周期で活発になったり静穏になったりしていますが、前回は西暦2,000年に極大期を迎えた後、昨年も極小期のまま異常に黒点の数が少なく、太陽が約100年ぶりに長期的な活動低下になったままなのです。それにしても梅雨に入った6月の気温が軒並み30℃を超え蒸し暑く、この先本格的な暑い夏が思いやられますが、逆に黒点が極小のままでは、温暖化ではなく寒冷化が心配されているのです。
 また、巨大黒点の出現も考えられ、大規模なフレアと呼ばれる大爆発が起きると、地球上で大規模な電磁波障害が起こり、コンピュータ社会はひとたまりもありません。
●生命環境の素・・・太陽神
 古代文明の神話を見ますと、洋の東西を問わずほとんどが太陽を神として崇拝しています。紀元前5,000年頃のシュメール文明では「ナナ」、バビロニアでは「ミトラ」、エジプト文明では「ラー」と、太陽の神を呼んでおり、日本でも「天照大神」として祀られているのはご承知のとおりです。紀元前3114年8月12日から始まるマヤ文明の暦は、5128年周期で次の太陽の時代が来ることを告げており、ちょうどそれは、西暦2012年12月22日をもって世が変換することを伝えています。このように、生命を育み生と死を司る、太陽の活動ひとつで、温暖化や寒冷化をはじめ冷害や干ばつ、地震や火山噴火が起こるので、古来太陽を生命エネルギーの根源の神としたのも理解できます。
●お天道さまに「ありがとう!」
 太陽と地球の位置関係は、奇跡としか言いようが無い、程よい距離で水が液体の状態で存在し、わずか1mm(地球を1mの球として)の大気の対流層によって、平均15℃が保たれているのです。また、わずか36分間の太陽エネルギーで、人類の1年分のエネルギーがまかなえる、まさに神業とも言える「有り難い星」なのです。
 自然と共生する世界でも唯一の自然観を持つ日本は、生きとし生けるものを養い育ててくれる「お天道さん」に、毎朝手を合わせて生活していました。どれだけ科学が発達しても、明日の天気すら読めない私達は、謙虚に太陽にありがとうの気持ちを忘れないようにしたいものです。
 

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