その六拾四 ムスビの息
【ムスビの息】
 前回は大自然との「産霊(ムスビ)」によって産まれた私たちの存在自体が、大自然から十分愛されていることをしっかり自覚し、我が生命に「ありがとうの気持ち」を忘れず、今度は自分から隣人や社会に向いて「幸せな善い関係を結んでいきましょう」と言うお話しをしました。自分の結ばれている産土(うぶすな)の神社には行かれましたか?何事も行動してはじめて結果が現れてきます。

048花の岩
花の岩
●イザナミゆかりの花の窟(いわや)
 三重県・熊野市有馬村には、日本最古と言われる花の窟神社があり、日本書紀の「国産みの舞台」に登場しています。神話の夫婦神の女性イザナミが祀られており、火の子供を産んだため亡くなり、黄泉の国の入口と伝えられています。先にお伝えした、新宮市の神倉山の「ごとびき岩」が「陽石(男性)」であるのに対して、この花の窟の巨岩は「陰石(女性)」とされています。
 熊野には生命を育む「産霊(ムスビ)」のエネルギーが、このように大自然の中で相対する「陰と陽の原理」として今に伝えられているのです。
●むすんで、ひらいて〜命の呼吸
 よくご存じの童謡に「むーすんで、ひらいて〜、ひーらいて、むすんで〜・・」とありますが、これは「陰」と「陽」の仕組みと働きによる「呼吸=息=生き」を表しています。天体で言えば「陽」は太陽であり「陰」は月を表し、地球上の生命はその生や死を「月のリズム」で刻んでいます。普段私たちは、ほとんど意識をしていませんが、自分の命を生かしているのは、吸う息と吐く息つまりヒラキとムスビなのです。
●息を見直しましょう・・!
 産霊(ムスビ)が息だと言うことは例えば、元金が増えるのは「利息」子供が生まれると「子息・息子・息女」と言うのもここから来ています。一瞬一瞬の「息」が如何に大切か?は「息」とは「自らの心」と書き、毎日知らず知らずに「息」をする事が、そのまま生き方や人生の流れにつながっているからなのです。
 ここ数年世の中が行き詰まっているのは、世の息が詰まっている訳で、一度深呼吸して空気を替える必要があります。みなさんも今一度、静かに「吸う息と吐く息の間」に、止める息があるのを感じてみましょう!
 

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