その六拾参 ムスビのちから
【ムスビのちから】
 前回寅年は、魂のアンテナを十分伸ばして、自分から出来るだけ離れて自分を見つめて心の眼を開きましょうと言うお話しをしました。自分の周辺に起こっている現象は、すべて自分の心の内側に在ることが、外へ現れていると言うことに気づかれましたか?

>勧再生の熊野古道
ごとびき岩
●不安感はどこからやって来るのか?
 世の中が混沌とする中で、西をみても東を見ても不安や不信がますます蔓延してきているように感じていませんか?自然界ではインフルエンザや環境異変、社会では凶悪な殺人事件や信頼を裏切る出来事をはじめ、国家間も政界も、相変わらず我を張る争いが今だ絶えず、世の光りがますます鈍くなっているかのように見えますが、だからといって自分まで光りを失わないようにしましょう。幸せは西や東に在るのでは無く、自然から遊離した自分の心の中からヒタヒタとやって来るからです。
●ムスビの愛を実感していますか?
 写真の「おむすび」のような注連縄を結んである大きな岩は、熊野新宮市・神倉神社に座する「ごとびき岩」で、毎年2月6日に勇壮な男たちの「火祭り」が行われることで有名ですが、この巨岩に最初熊野の神が降りたと言われています。つまり神々と人とをムスんでいる象徴で、それを「産霊(ムスビ)」と呼びます。
「産む」はもともと「ウ・ムス」で、神=大自然の働きによって命がむすばれ、この世に生じてきます。産土(うぶすな)は自分が生まれた土地を指し、どんなに偉い人でも人為的に産むことや、選んで生まれてくることもできません。子供が産まれると「息子(ムスコ)娘(ムスメ)」と言うのも、この大いなる「産(ムス)」の働きであり、生まれてきただけで私たちは、神=大自然としっかり結ばれ、すでに愛されているのです。
その意味でもまず、この「ムスビの愛」にありがとうの気持ちを持ちましょう!
●明るく素直に絆を結びましょう!
 すでに産霊(ムス)ばれていることがわかれば、今度は自分が隣の人に向かって、社会に向かって、幸せを結んでいくことが大事です。この場合は「産霊」ではなく「結び」と言い、糸を結わえていく事、つまり良い人間関係を自分から主体的につないでいくことなのです。人生の花を結実させる、本当の魂の「ムスビのちから」を発揮して、自分が世の中に明るい素直な一条の光りを放っていきたいものです。
 

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